急速充電が可能なUSB Power Delieveryとは? iPhoneにも対応?

2020.01.10

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かつてはデジタル機器の充電というと充電専用のポートを使用するのが一般的でしたが、近年はスマートフォンやタブレット端末、ノートパソコンなどをはじめ多くのデジタル機器がUSBポートから充電を行うことができるようになりました。

そのなかでも最新の給電規格として注目されているのが、「USB Power Delivery(USB PD)」です。

そこで今回は、このUSB Power Deliveryについて、その特徴を詳しく解説していきます。

USB Power Deliveryとは?

USB Power Delivery(USB PD)とは、USBコネクタのうち「USB Type-C」と呼ばれる端子に対応した給電規格のひとつで、従来のUSB端子と比べて最大で100Wという大きな電力を供給することができます。

給電パワーは従来の20

従来のUSBの規格では、供給できる電力はUSB 2.0で2.5W、USB 3.0では4.5W、USB BC(Battery Charging)1.2では7.5Wが最大で、一般的に5Wで充電できる機器が広く普及しています。

一方、USB Power Deliveryは、最大100Wの給電が可能であり、従来と比較して20倍もの給電能力を持っていることになります。

受給電できるデバイス

USB Power Deliveryは、最大で100Wという非常に大きな電力供給ができるため、従来は専用の充電器を必要としたようなノートパソコンや液晶ディスプレイ、大容量のモバイルバッテリーなど、大きな電力を必要とするデバイスにも電力供給ができるようになりました。

これによって、ノートパソコンにさまざまな周辺機器を接続する場合には、USBケーブルに給電と通信を統合することができるため、パソコンと周辺機器それぞれに充電器を用意する必要がなくなります。

これまでケーブルだらけでごちゃごちゃしていた会社のデスク周りなども、大幅にスッキリさせることができるようになったわけです。

コネクタケーブルはUSB Type-C

USB Power Deliveryはどのコネクタケーブルでも使用できるわけではなく、対応しているコネクタケーブルを「Type-C」と規定しています。

「USB Type-C」は2015年頃から登場し始めた新しいUSBの規格で、「上下の区別がないシンメトリー形状である」、「ホストとデバイスの区別がない」という特徴があります。

また、対応する端末と周辺機器同士であれば「急速充電ができる」、「映像出力ができる」といったことも可能になりました。

ただし、全てのType-CケーブルがUSB Power Deliveryに対応しているという訳ではありません。

Type-Cであっても、USB Power Deliveryに未対応のケーブルもあるので注意が必要です。

また、ケーブルの片側の端子がType-Cなものの、もう一方は別の端子の場合、USB Power Deliveryに非対応となります。

USB Power Deliveryに対応するためには、両端子ともにType-Cコネクタである必要があります。

USB Power Deliveryに対応した機器を複数接続して充電する場合、ひとつでもUSB Power Deliveryに対応していないケーブルがあれば高速充電が不可能になります。

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ホストとデバイスでロールスワップが可能

USBの給電規格である「USB Power Delivery」。

その特徴のひとつが、電力を供給する役割と電力の供給を受ける役割を交換する「ロールスワップ」が可能という点です。

通常、USBでの給電では、「電力を供給する役割を担う機器」と「電力の供給してもらう機器」が存在しますが、USB Power Deliveryではその役割を交換することができます。

例えば、ノートパソコンからタブレット端末へUSB経由で充電するケースを考えてみましょう。

ノートパソコンが電源に接続している場合、ノートパソコンとタブレットをType-Cで接続し、給電することができます。

反対に、タブレットが電源に接続されている場合、ケーブルの差し替えを行わずに、タブレットからノートパソコンへ給電を行うことができるのです。

USB Power Deliveryに対応しているType-Cケーブルを利用することで、「給電」と「受電」を一瞬にして入れ替えることができるというわけです。

USB Power Delivery ACアダプタ

USB Power Deliveryという共通の規格ができたことによって、それに対応するデバイスであればスマホからパソコンまでひとつのACアダプタで充電ができるようになりました。

ただし、ACアダプタ側の出力には違いがあるため注意も必要です。

例えば、60WのACアダプタが付属しているノートパソコンに30WのACアダプタを接続した場合、電力が小さすぎて「充電しているにもかかわらずバッテリーが減ってしまう」という状態になってしまうこともあります。

一般的な目安としては、45W出力できていれば対応する機種が多いため、ノートパソコンなどの充電を目的としてACアダプタを購入する場合には、必要な出力を満たしているかどうかをしっかり確認しておくことが大切です。

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USB Power Deliveryの登場により、従来よりも急速に充電をすることができ、またスマホやパソコン、タブレット、ゲーム機など複数のデバイスをひとつのACアダプタで充電することが可能になりました。

コネクタケーブルはUSB Type-Cを使用しますが、USB Power Delivery未対応のUSB Type-Cも販売されているなど、注意しなければならない点もあります。

導入を検討する際には上記でご紹介した内容を参考にしてください。