2019.10.24
Bluetoothには「マルチペアリング」と「マルチポイント」という機能が用意されています。
よく似た言葉なので混同しやすいのですが、両者の意味は明確に異なっています。
この記事ではマルチペアリングとマルチポイントの違いについて説明します。
目次
まず、2台のBluetooth機器を接続するには、必ずペアリングという作業を行わなければなりません。
ペアリングとは、通信の安全を確保するために親機と子機で互いの設定情報を登録しておく作業です。
ペアリングについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も見てみてください。
例えば親機がスマートフォン、子機がBluetoothイヤホンだったとします。
子機のBluetoothイヤホンをスマホで使えるようにするには、まず最初に必ずペアリングを実行します。
やり方は簡単で、Bluetoothで接続して使いたい機器同士をどちらもペアリングモードにすればペアリングが完了することがほとんどです。
一度ペアリングを実行してしまえば、次に同じ機器同士で接続する時に再ペアリングの必要はありません。
情報はすでに登録されているので、あとはBluetoothの電波が届く範囲内で親機と子機を起動すれば、自動的に接続されて使用できるようになります。
マルチペアリングとは、1台の子機に対して、複数の親機を登録する機能のことです。
従来のBluetooth機器では、子機を使っていて親機を切り替えるときには、そのたびにペアリングし直さなければなりませんでした。
しかし、マルチペアリング対応のBluetooth機器ならその作業が不要になります。
例えば1つのBluetoothイヤホン(子機)に、スマホ、タブレット、音楽携帯プレーヤーなど複数の親機を登録し、設定を記憶させることができます。
複数の親機で1つのBluetoothイヤホンを使用したいときに、ペアリングをやり直すことなくスムーズに親機を切り替えられるので便利です。
ただし、そのBluetoothイヤホンで、複数の親機を同時に使用することはできません。接続はあくまで1対1です。
なお、マルチペアリングできる台数は製品ごとに決まっています。上限を超えてペアリングした場合は、古い設定から順に情報が消えていきます。
マルチポイントとは、マルチペアリングと同様に1台の子機に対し複数の親機を接続する機能のことですが、同時に接続が可能な点がマルチペアリングと異なります。
例えば、1つのBluetoothイヤホンに2台のスマホを接続しておけば、どちらのスマホに着信があってもBluetoothイヤホンを付け替えることなく対応できます。
いわゆる同時待ち受けができるので、マルチポイントは仕事用とプライベート用のスマホ(あるいは携帯電話)を2台持ち歩いている方におすすめです。
これに対し、マルチポイント非対応のBluetoothイヤホンの場合は、マルチペアリングによって登録した2台のスマホがあったとしても、常に片方のスマホとしか接続できないので同時待ち受けすることはできません。
同じBluetoothイヤホンで1台のスマホと接続していて、もう1台のスマホを使いたいと思ったら、最初のスマホとの接続を一旦切断し、2台目のスマホと接続してから使うことになります。
マルチポイントを理解するために知っておきたい、「プロファイル」についてもご紹介します。
Bluetooth機器同士を接続して通信するときには「接続プロファイル」が使われます。
接続プロファイルとは、Bluetooth通信時の動作や送受信するデータの内容が定義された、接続のためのルールのことです。
商品の説明書やホームページを見ると、対応しているプロファイルが記載されています。
商品:「ラディウス ワイヤレスイヤホン HP-R100BT」
接続プロファイルは機能ごとに共通のルールが定められており、通話用のプロファイルや音楽再生用のプロファイルなど、別々に用意されています。
以下は、音楽・音声関係の主な接続プロファイルです。
通話も音楽再生もできるBluetoothイヤホンは、異なるプロファイルをどちらとも持っているということです。逆に通話用のプロファイルしか持っていないヘッドセットでは、音楽再生はできません。
したがって、上で説明したマルチポイントでBluetooth機器同士を接続して同じ機能を使うときは双方の機器が同じプロファイルを持っていなければなりません。
例えば1つのBluetoothイヤホンを同時に2つのスマホと接続して待ち受け状態にするには、同じ通話用のプロファイルが双方に備わっている必要があるということです。
ちなみに、1つのBluetoothイヤホンを2つのスマホに接続し、1台のスマホでは通話用のプロファイル、もう1台のスマホは音楽再生用のプロファイル…といったように別のプロファイルで複数の機器に同時に接続する場合は、マルチポイントとは言いません。
マルチポイントは同じプロファイルを同時に複数接続できる機能と覚えてください。
最小クラスのノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホン。ラディウスの「tinyシリーズ」の最新製品で、高音質かつフィット感が抜群です。
コストパフォーマンスに優れた超人気モデル。
最大5台までの Bluetooth機器とのペアリング情報を記憶することができます。
音質や遅延量、接続性能の特徴が異なる6種のコーデックに対応しており、接続先機器に合わせた常に最適な音の再生が可能です。
最大5台までの機器とマルチペアリングが可能で、かつ2台の通話機器の着信待ち受けが可能なマルチポイントにも対応しています。
Bluetooth標準規格 Ver5.2。ハイレゾの音を生きたまま届ける「LDAC™コーデック」に対応。重厚な低音や濁りの無い生き生きとした中高音が感じられるイヤホンです。
こちらは4台までのマルチペアリングに対応。
低遅延モード&ハイブリッドノイズキャンセリング搭載で、ゲームプレイに適した完全ワイヤレスイヤホン。
こちらも最大4台までマルチペアリングが可能なので、ゲーム機、スマホ、パソコンなどと接続しておけば、イヤホンを変えることなくゲームを楽しめます。
マルチペアリングとマルチポイントの違いを要約すると、
・マルチペアリングは1台の子機と複数の親機を登録する機能
・マルチポイントは1台の子機と複数の親機を同時接続する機能
といったように捉えるとわかりやすいです。
両者の違いを理解した上で、Bluetoothイヤホンの導入を検討してみてください。